様々なニュースが刻々と流れては消えてゆく毎日、私の住む高知が大きく報じられることはあまり多くありません。最近ではNHK連続ドラマ「らんまん」のニュース効果で少し元気を取り戻してきた感のある高知ですが、つい先日、悲しいニュース記事を見かけました。
きっかけはあるツイート
土佐市の新居。なんにもない田舎ですが、太平洋が一望できる良いロケーション。仁淀ブルーが緩やかに流れ込む河口にあり、高知ではしらすうなぎ漁やサーフィンで有名なポイントのある場所です。
そんなのんびりとした田舎で悲痛なツイートが...。
【拡散お願いします】
— 崖っぷちカフェ店長@理不尽な退去通告、私物化されたNPO法人と戦う (@kurumi121422) 2023年5月10日
田舎はどこもこうなんですか?
地域おこし協力隊として東京から高知に移住したのに、地元の有力者に従わなかったら出ていけと言われました。市役所も言う通りにしろと言います。
「Twitterで発信します」と言ったら「たかがSNSや」と鼻で笑われました。現状を知ってください。 pic.twitter.com/udCYfTK1pG
土佐市の移住者カフェの「強制退去」騒動が多くのメディアで取り上げられました。
西村ひろゆきさんもリツイートでコメントされあっという間に広く知られることに...。
東京から高知に移住してカフェ運営に成功。
— ひろゆき (@hirox246) 2023年5月10日
ところが、地元有力者がカフェオーナーと店長を追い出して乗っ取ろうとして書類を偽造する。
土佐市の建物なのに役所も地元有力者に言いなり。
こういうのがあるから、地方を嫌がって都市部で起業を選ぶ人が増えるんですよねぇ。。。 https://t.co/qplTPQSXpA
全国ニュースになると土佐市に抗議の電話やメールが殺到したとか。挙句、昨日は土佐市に教育施設の爆破予告があり、市内すべての小中学校で一斉下校の措置をとる事態にまで発展してしまいました。まさに炎上。
【お願い】1夜明け大きな反響に驚いております。拡散にご協力頂いた皆様本当にありがとうございます。
— 崖っぷちカフェ店長@理不尽な退去通告、私物化されたNPO法人と戦う (@kurumi121422) 2023年5月10日
まず、土佐市観光協会は全く関係ありませんので連絡や誹謗中傷はおやめ下さい。またかき小屋も関係ありませんので従業員への質問はご迷惑になります。お辞め下さい。
よろしくお願い致します。
カフェの店長さんもこの状況には心苦しく思われているのでしょう。関係のない方々へ過激すぎる行動は絶対にだめ...。
さすがにこの手のネタには消極的な地元紙もやっと記事掲載
ネットニュースでは告発者の方の声しか聞こえてきませんが、土佐市とNPO理事長への取材内容を記載したのは地元紙ならではですね。ザックリと下記のような感じです。
土佐市市長談
- もめ事には逐一対応した
- 双方が弁護士をたて争っており、市の介入は難しい
- 市も弁護士と協議して対応中
- 施設開設当初の書類がなく、事実関係を把握していないので、コメントできない
- 両者の調整でやれることはやったはずだが、混乱を招いている以上、責任の一端はある
NPO理事長談
- 企業組合とは施設内トラブルの影響で良い関係ではない
- NPOの意思決定は理事会で諮って決めているので私物化という指摘はあたらない
- 反対する会員はそんな見方しかしない
- 公募審査の審査基準はある
- セクハラ行為は「やっていない。記憶にない」
セクハラ相談に「尻でも触らせて機嫌を取れ」と答えた市職員の話も嘘になるんでしょうかね。
たかがSNSや
NPOさん、そんな声を発してしまったらしいです。今のご時世ネット民を侮ると怖いです。
地元のSNS民からはいろんな情報も...。
土佐市の例のNPOの爺さん、自宅周辺の道路を見たら爺さん家の直近の交差点だけ着色舗装してあって草。うちの市でも強い市議の家の近くから道路整備したりするし、典型的な地元老害有力者って感じがする。圧力かけたんだろうな。
— タんマ (@cynopscynaps) 2023年5月11日
地の利のある人間が言うけど、土佐市はまじ、あらゆるジャンルでそれぞれの有力者が権力を振るってるし、明治時代かな?ってくらい前時代な部分あるし、めんどくさい土地なんよ。
— 永田たま (@Tamamo9th) 2023年5月10日
隣の春野や須崎では絶対起こらないことが、土佐市では当たり前に起きる。… https://t.co/VJ5bcsdJLI
7年前のこと。
— 🎍じゃぱかる🎍 (@tkstyle6) 2023年3月22日
新居地区観光交流施設「南風」への移転についてご報告 - じゃぱかる日和 https://t.co/25gPNu9h31
詳しい事情はわかりませんが、数年前にも同様のトラブル?があったようです。やはり管理者と自治体側になんらかの問題がありそうにも見えます。
このへんの話の補強から始めましょうか。
— 養殖漁師(高知県産) (@jfjk4cS1hpbHz3R) 2023年5月1日
まず結論から言うと南風の指定管理者である新居を元気にする会による南風運営には極めて問題があります。
今回は指定管理者の新居を元気にする会と南風の金の流れの問題を糾弾していきたいと思います。 https://t.co/wSuQh0NGPl
なにやら怪しい雲行き...。
移住トラブル
地元紙ではカフェ移転トラブルの記事と同日、地域おこし協力隊ネット「とさのね」の記事を掲載したのは意図してか、偶然なのか...。
- 4月1日時点の高知での地域おこし協力隊は255人
- 県は2026年度末までに500人を目標
- 任期終了後の県内定着率は全国平均とほぼ同じ65.8%
- 地域になじめない・市町村職員と関係に悩み、約1/3が任期途中で退任
今年1月の愛媛県別子山の移住者(YouTuber)トラブル。最近では北海道鶴居村での田舎移住YouTuberのトラブル。どちらもボヤや命を脅かすような声。実際、表面化していないトラブルも多いと思います。
高知のような過疎県ではここ数年、移住対策に力を入れています。そうしないと益々衰退してゆく現実もそんなに先ではないかもしれません。
移住でなくてもご近所トラブルも多い時代。もともと相互扶助で成り立ってきた田舎コミュニティ。時には負担になることもあるかもしれません。どちらにも変化してゆくための相互理解も必要でしょう。ましてや自治体として移住政策を掲げてゆくのであれば自治体の協力は絶対条件でしょうし、このような支援団体の協力も必要でしょう。お試しツアーや期間限定のお試し移住なんかもそのひとつでしょう。
普段、この手のニュースをブログに載せることはありませんでした。メディアで掲載されたことがすべてではないでしょう。見えない部分や話が食い違う争点もあるでしょう。当事者ではない私が是非について言及できませんが、ただただ悲しい。
地元新聞の「地域、役場、自分のやりたいことが重なる部分を見つけてみて」という言葉が印象に残った。